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幸いな結婚のカギ「違いを生かす」
by.CGNTV
hit 303 recomend 162 2020-04-29 09:00:34

幸いな結婚のカギ「違いを生かす」

 

 

西岡まり子 日本ホーリネス教団 川越のぞみ教会 牧師

 

 

朝の忙しい時間、「髭剃りがない!」と声を荒げる夫に「私は使ってないよ」と答える妻。妻は内心、「私が使うわけないでしょ。どうして私が髭剃りのために責められなければならないの!」とカチンときています。夫としては、見当たらないことで焦り、怒りの声になったのでしょうが、それを聞いた妻は責められていると感じたのです。

些細なすれ違いが解決を得られずに積み重なっていくと溝ができ、対立し、非難が生じ、癒えがたい心の傷を作ります。

性格の違いも、それを生み出す生育環境の違いも、そして生まれ持った男女の違いも、磁石のように引き合う魅力にもなり、一つ(生活共同体)となっていくときにお互いの理解を妨げる「棘」にもなっていくのです。この違いに注目して、神の示されている幸いな結婚(人間関係)とは何かを考えていきましょう。

神が造られた違い:男と女

素晴らしい天地創造、そして最高傑作として造られたアダム(人)。しかし、神は人がひとりでいることを良くないと嘆かれ(創 2:18)、彼のために「ふさわしい助け手を造ろう」と言われたのです。「ふさわしい助け手」とは、助手でも主従関係でもなく、顔を合わせて協力し対応する存在です。また、「神のかたちとして……男と女とに……創造された」(創 1:27)とあるように、異なる2人が協力しながら一つとなっていくことが、協力関係である三位一体の神のかたちを反映します。違いは力となるのです。夫婦の課題の多くは男女の違いにあることを思います。冒頭の夫婦もそうですね。個人的な事実を客観的なものとして、しかも自分の感情に気づかずに(?)言葉にする夫と、それを個人的(批判)として受け取ってしまう妻のパターンです。

生まれ育った環境(家庭)の違い

父親絶対の権威主義の家庭で育ったK夫。いちいち意見する妻A子の態度が反抗的に反抗的に映り、怒りを感じ、一切の意見を受け付けなくなってしまいました。家族会議で決議するような民主主義的な家庭に育ったA子は、K夫の怒りが理解できず、さばいてしまいます。

人は、他者との関わり方を、育ってきた環境(家族)の中で少しずつ学んでいきます。価値観や金銭感覚もそうです。常識は無意識の内に家族や文化により作られているのです。ですから、結婚により2つの常識が衝突し、自分の常識で無意識のうちに相手をさばいてしまうのです。本人は常識ある行動をしているつもりですから、なぜ相手が自分の常識に合わせないのか理解に苦しむのです。互いの常識が無意識から意識に移され、違いに気づき、今度は新しい2人の常識を作り上げていく、それが夫婦になっていくことなのでしょう。

 

性格の違い

3組に1組が離婚している日本における一番の離婚の理由は、「性格の不一致」です。当初、魅力と思えた性格の違いも棘となり、結婚生活が苦痛となってしまいます。性格においても違いを知り、その違いを生かし合う神の意図された相補的な関係になりたいですね。

有名な性格分析の「ビックファイブ」では、5つの因子で性格を特徴づけます。その5つは、①外向性(外向的vs内向的)、②開放性(冒険的vs安定的)、③勤勉性(几帳面vsおおらか)、④協調性(協調的vs競争的)、⑤情緒安定性(冷静vs敏感)です。例えば、外向的な人は、多くの人との交わりの中で活力を得ます。反対に内向的な人は、一人静かな時間にリフレッシュされます。また、情緒が冷静な人は、ストレスの中も落ち着いて行動できますが、共感力は低く、情緒が敏感な人の心の嵐を理解しづらいことでしょう。

性格は優劣で測れません。それぞれの特徴は長所にも短所にもなりうるからです。生育環境の中で身についてきた生きる術でもあります。ただ、お互いの違いは理解しにくく、生活に支障を及ぼします。ですから、自らの傾向を知り、その特徴を用いて、2人の支え合いの力としていくのです。

 

違いを生かしあうためには

アダムとエバも、カインも、残念ながら与えられた違いを生かしきれず、自らの非をも認められずに相手を責め、神をも責め、とうとう弟を殺してしまいました。「神のように」なる禁断の実を食べ、自らが神に代わり善悪の基準となっていったときに、自らの常識、性格、考え方、価値観が絶体(義)となり、相手の違いを非としてしまったのです(創 3:5)。それが自己中心の私たちの現状です。しかし、「キリストの体」の一部として、違いを尊重し、自らの特徴をもって支えあうときに、違いが生かされていくのです。

 

西岡まり子

東京聖書学院、タルボット神学校で学ぶ(結婚・家族ミニストリーの修士)。現在は夫、西岡義行氏とともに日本ホーリネス教団川越のぞみ教会での牧会に携わる。

 

 

本文は、『リビングライフ STORY 2020年5月』 (Duranno書院)より、抜粋したものです。

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