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復活がもたらしたもの
by.CGNTV
hit 260 recomend 74 2021-04-13 11:02:12

復活がもたらしたもの

 

道本純行 八尾福音教会 代表牧師

 

 

あるアメリカ人がバチカンの図書館を訪れた。特別許可を得て門外不出の一万点に及ぶ地下墓地(カタコンベ)の壁画を丹念に調べていくうちに、注目すべき事実に直面した。予想に反し、紀元315年以前の絵画には、キリストの十字架も死も主題として登場していないことである。ところが、旧約からはヨナの物語がなんと500枚も描かれており、新約から取られた絵画で数が最も多かったのはラザロのよみがえりで、300を越えていた。このことは何を物語っているのであろうか。言うまでもなく、初代のクリスチャンたちの間では「復活」が最大の関心事だった、ということである。

そしてもう一つ、彼らは「パンと魚」の絵をもって復活の主イエスとの食事を覚え、象徴とした。スイスの神学者カール・バルトは次のように言った。「あなたは生けるキリストを信じたいと思うか。キリストを信じるとは、彼の肉体的な復活を信じることである。これこそが、新約聖書のいわんとしていることである。それに修正をほどこしたり、何か別のことを語っていると言ったりしてはいけないのである」 これこそが福音の根っこである。

 

復活が意味することを挙げてみよう。

(1)キリストの神性の立証

「死者の中からの復活により、力ある神の子として公に示された方」(ロマ 1:4)とある。

 

(2)信仰者の義認の根拠

もし彼が復活しなければ十字架の根拠はなくなる。昔から立派な人物が誰かの身代わりになって死んだという話は珍しくない。しかし、

「主イエスは、私たちの背きの罪のゆえに死に渡され、私たちが義と認められるために、よみがえられました」(ロマ 4:25)

(3)聖霊時代への移行、自らは天における執り成し手となられた

「ですから、神の右に上げられたイエスが、約束された聖霊を御父から受けて、今あなたがたが目にし、耳にしている聖霊を注いでくださったのです」(使 2:33)

「だれが、私たちを罪ありとするのですか。死んでくださった方、いや、よみがえられた方であるキリスト・イエスが、神の右の座に着き、しかも私たちのために、とりなしていてくださるのです」(ロマ 8:34)

 

(4)信じた者の復活の保証

「しかし、今やキリストは、眠った者の初穂として死者の中からよみがえられました」(Ⅰコリ 15:20)他

私がキリストを信じた60年前、同じ教会に、Mさんという26歳の娘さんがいた。彼女は遊び過ぎて、不規則な生活の結果、結核になってしまった。当時、結核は不治の病と言われており、彼女の体はボロボロで、回復は不可能な状態であった。しかし彼女は病院伝道で救われ、深い悔い改めをし、キリストへの熱い信仰をもった。彼女は残された日々の中、証しの本を残した。私は、今ではもうボロボロになったその冊子を保存している。その中で彼女は「私は今、復活の体への希望に燃え、輝いている。私の心は約束された永遠のいのちと、さらに霊の体が与えられるというキリストの再臨の日を待ち望んでいる」と語っている。もう60年も前のことだが、今この耳で聞いているような感動を覚える。

そしてキリストの復活から

(5)死が新しい意味を持つようになった

「死の力を持つ者、すなわち、悪魔をご自分の死によって滅ぼし、死の恐怖によって一生涯奴隷としてつながれていた人々を解放するためでした」(へブ 2:14~15)

主の死、復活、昇天、教会誕生を経て、人々の葬礼のあり方が変わった。それまで葬礼は夜に営まれていた。死は忌むべきもの、人は死の力に負けた者であり、人々は真っ暗闇の夜に葬列を作り、死者を墓まで運んでいた。

しかし、新しい信仰に生きる人々は、黒い喪服を捨て、白い衣装を身に着け、詩篇や賛美を歌い、勝利のしるしの香をたき、棕櫚の枝を打ち振って葬礼をした。

 

(6)「インマヌエル」の真実のはじまり

英国人宣教師、リビングストンがグラスゴー大学で講演した時の様子が記録されている。「彼の体はアフリカにおける苦闘の跡がありありと見られた。30回近く重い病気にかかり、やつれていた。左腕はライオンによって砕かれ、だらりとたれ下がっていた」

彼の宣教報告は人々の心を打った。彼は印象深く話をまとめている。「『見よ。わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたとともにいます』というみことばは真実であった」と。

 

道本純行

1945年、大阪生まれ、和歌山育ち。

関西聖書学院、日本教会成長研修所卒業。

八尾福音教会代表牧師。日本福音教会元理事長。ラジオ関西「福音の声」元ラジオ牧師。

著書に『ことばは神であった』『信仰のレースを行く』などがある。

 

本文は、『リビングライフ STORY 2021年4月』 (Duranno書院)より、抜粋したものです。

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