真のクリスチャンとして生きるために

キム・サンスク　ホーリーネイションズ宣教会 代表

イエス様が来られた目的は、羊にいのちを得させるだけでなく、豊かな人生を生きさせるためです。その豊かな人生とは、どのようなものでしょうか。若い頃にそのことについて関心を持つようになり、たくさん黙想しました。答えを得るために、聖書を食事以上に大切なことと考えて読みました。そのように1981年から聖書を読み始めて40年という年月が経ってみると、聖書を2百回通読していました。聖書を読むことは、私にとって一日の中で最も大切な時間であり、いつもその日にしなければならないことの最優先順位でした。その過程を通して、人生最高の祝福は、みことばに従って生きることだということを学びました。

豊かな人生の秘密

聖書のみことばに基づいて神様と隣人への愛を実践しようと、韓国国内のあちこちの工場で働く外国人労働者たちのために無料で宿と食事を提供するセンターを運営し、病気の人に医療サービスを提供する仕事を始めました。主は「悲しんでいるようでも、いつも喜んでおり、貧しいようでも、多くの人を富ませ、何も持っていないようでも、すべてのものを持っています」（Ⅱコリ 6:10）というみことばを成就してくださいました。外国人労働者に仕えるためには、莫大な財政と人材が必要でした。ホーリーネイションズ宣教会は、経済的にはいつも厳しい状況でしたが、神様が私たちを顧みてくださいました。私たちは、神様のみわざを見て、どんなときでも喜ぶ秘訣を学びました。それが「従順」です。従順によって一歩踏み出した瞬間、ほかの人々が経験できないみわざを経験することができました。私たちは、主が直接行われるみわざを毎日見て、喜びました。私たちはここを「幸せ村」と呼ぶようになり、いつも喜ぶ幸せ村の人々になりました。聖書の約束の通りに豊かに満たしてくださる神様を見ていたので、ほかの人にとっては悲しむべき状況であっても喜ぶことができました。また、ほかの人の目には私たちは貧しく見えたようです。ホーリーネイションズ宣教会で外国人たちに仕える医療奉仕者たちを見て、人々は「外国人労働者なのか医師なのか見分けがつかない」と驚きました。そのように貧しく見える私たちでしたが、多くの人を豊かにしました。人を豊かにする喜びのために、自分のためには節約することが感謝でした。

真の信仰者は、何も持っていないようでもすべてを持っている者です。もっとすばらしいものがあるので、イエス様だけで満足できます。イエス様が私たちの人生に来られるので豊かです。イエス様だけで十分です。私たちにはこの地がすべてではありません。もっとすぐれた故郷があります。私たちは永遠に生きるその場所を見つめているのです。主のみこころを仕方なく行っているのではありません。私を用いてくださることが栄光であることを知っているため、喜んで従っているのです。この道こそ最高の祝福だと考えています。

幸せ村の働き

2000年にホーリーネイションズ宣教会を創立し、これまで「どんな人も無条件で全額支援する」という原則の下、外国人患者を顧みてきました。行き場のない数百人の重症患者が幸せ村に入院して手術を受けるのにかかった費用は、5億円を超えます。財政のために一度も祈りませんでしたが、主のみわざによって借金もなくここまで来ることができました。幸せ村でイエス様に出会い、洗礼を受けた人のうち、30人以上が神学を学び、故国に帰って教会を建てました。この働きはモンゴル、ロシア、ネパール、中国、パキスタン、イギリスなどに広がり、あちこちに幸せ村が作られ、救いの実を結んでいます。

主は、ホーリーネイションズ宣教会で奉仕する人々を送り続けてくださいました。彼らの中には牧師や宣教師、賛美リーダーとして召された者たちもおり、医療・食堂・車両・通訳・美容などの様々な分野で奉仕しています。彼らはみな、主に委ねられた役割に従っています。人生の重さを悩むのではなく、栄光の働きをしながらいつも喜んで生きるという、クリスチャンの特権を体験しています。使徒パウロがこの世のすべての誇りをちりあくたのように考え、求め続けたキリストの恵み、そのあふれる豊かさと、神様の計り知れないあわれみと愛を、日々目の当たりにしながら、私たちは、「使徒の働き」のように「幸せ村の働き」をつづり続けています。

本文は、『リビングライフ STORY 2021年7月』（Duranno書院）より、抜粋したものです。