苦しみを通して回復されるたましい - 日本CGNTV

コロナの苦しみが続いていますが、私たちはこの期間を通して歴史を統べ治めておられる神様を知らなければなりません。神様は、苦しみにも「かかわらず」ではなく、苦しみを「通して」みわざを行われる方です。私たちの心は頑なで、苦しみがなくては変わることができないため、神様は苦しみを用いるしかない場合が多いのです。

神様は二つの方法で苦しみを扱われます。第一に、苦しみが早急に取り除かれることを求める祈りに応えてくださることです。神様は、祈りに応えることを喜ばれる方です。第二に、苦しみの中で私たちの内面を変化させ、正しい姿へと導き、回復させてくださることです。苦難が訪れたとき、私たちは人生が台無しになったと思います。しかし、そのような状況の中で、神様は私たちの心の中に隠れていたものをあらわにし、正しい姿になるように働かれます。苦しみの驚くべき力は、私たちの心の中にあったものをあらわにすることです。人生の目的を何において生きているか、特に神様とどんな関係を築いているかをあらわにするのです。

私たちにとっての正常は、実は異常であるかもしれないし、私たちにとっての異常は、実は正常に立ち返るための道であることもあります。コロナによって全世界が強制的に安息年に入ったような状況で、私たちが当たり前だと思っていたことが崩れています。しかし逆に、私たちが忘れていたことを再び取り戻したこともあるはずです。

マルコム・マーゲリッジという人は、75歳のときに苦しみの中で彼がどのように変わったかを、次のように伝えています。「私が75年間の人生の中で学んだこと、私を高め、目覚めさせてくれたことはすべて、幸せを通してではなく、苦しみを通しての結果であったと断言することができます。この地上で苦難という経験を取り除くことができるとしたら、その結果は魅力的な人生ではなく、耐えがたいほど退屈な人生になるでしょう。これが、十字架が意味するところです。何よりも私をキリストへと導いてくれたものは、まさにその十字架でした」

苦しみを通して神様が働かれる目的は、私たち人間に正しい姿を取り戻させることです。苦しみは、私たちが以前は考えたこともなかったことを考えさせ、信じ切っていたことに対して疑いを抱かせます。多くの場合、私たちは苦しみの理由を知るために思い悩むことに夢中で、苦しみを通して正しい姿になるために戦うことを忘れてしまいます。

私たちが最も大きな試みを受けるのは、これまで自然に手に入っていたものが、突然得られなくなったときです。コロナウィルスに感染し、酸素呼吸器で治療を受けた人が、治療にかかった費用を知ったとき、「これまで私は、どれほど多くの酸素をただで吸って生きてきたのだろうか」と思ったそうです。

アメリカの小さな教会の牧師が教会員の家を訪問したとき、その家の棚に玉の入った二つの大きなビンを見つけました。一方のビンには玉がぎっしりと詰まっていて、もう一方には数個しかありませんでした。そのビンについて尋ねると、彼女はこのように答えたそうです。「私は生きてくる中で、神様が私のために多くの重荷を祝福に変えてくださったことを経験しました。少しだけ残っている玉は私の重荷を意味していて、ビンいっぱいに入っている玉は神様が重荷を祝福に変えてくださったものを意味しています。神様が重荷を祝福に変えてくださるたびに、玉を移していったのです。苦しみにあっているとき、恨み言を言っても何の益にもなりませんが、この世を変えることのできる神様を求めることだけが、益となったのです」

私たちが苦しみの中でさまよっているとき、神様は十字架を示されます。十字架は苦しみを取り除いてくれることもありますが、そうでないこともあります。明らかなことは、苦しみは、十字架にあって創造的なものとなり、私たちを正しい姿へと変化させ、成長させてくれるということです。

イ・ジェフン

米国トリニティ神学大学（修士課程）修了。

ゴードン・コンウェル神学大学（博士課程）修了。

現在、オンヌリ教会主任牧師。

本文は、『リビングライフ STORY 2022年1月』（Duranno書院）より、抜粋したものです。

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