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聖書的な妻 講座: 子どもを養育する使命
by.CGNTV
hit 1137 recomend 160 2018-11-20 11:45:23

聖書的な妻 講座: 子どもを養育する使命    

 

トーチ・トリニティ神学大学 教授 イ・キボク

 

結婚の目的は、夫婦が自分たちだけの安らぎや楽しみを追求することにあるのではありません。結婚のさらに大きな摂理は、神の義と救いを代々継承するという歴史的な使命にあります。子どもや孫を、神様の子どもとして、しっかりと養育することが、結婚と家庭の偉大な目的なのです。ここで言う子どもとは、肉身としての子だけでなく、養子や霊的に生んだ子どもも含まれます。現実的に子どもを多く生むことが難しくても、本来、神様が願われる原理と御心は、時代が変わっても、この地で「生み、ふえ、地を満たす」ように子どもを生むことです。それが主の御心であり、命令なのです。

子どもたちは、神様からゆだねられた賜物であり、報酬です(詩 127:3~5)。しかし、子どもたちが祝福となるためには、正しく育てなければなりません。旧約聖書の列王記と歴代誌に出てくる王たちの話の中には、理解できない部分があります。正しい王の子どもが偶像に仕える悪い王になり、悪い王の子どもが主によく仕える良い王になったという話です。なぜ、そんなことが起こるのでしょうか。それは、子どもを育てた母親たちによる目に見えない影響のゆえです。特に、人格が形成される幼い時期に母親がどのように子どもを育てたかが、大きく影響します。母親の霊的、精神的な影響力は、絶大なのです。今回は、母親の重要な使命について考えてみましょう。

 

1.  胎教

「それはあなたが私の内臓を造り、母の胎のうちで私を組み立てられたからです。……あなたの目は胎児の私を見られ、あなたの書物にすべてが、書きしるされました。私のために作られた日々が、しかも、その一日もないうちに」(詩139:13~16)。

母親の胎の中のいのちは、成長している生命体です。胎児は、世の初めから定められた神様の子どもで、あとにも先にも唯一無二の存在です。ですから、堕胎は罪です。障がいがあったとしても、神様の前には尊い存在です。<br>また胎児は、母親の情緒から敏感に影響を受けるので、母親は心の平安を保つよう努めなければなりません。「○○ちゃんを歓迎するよ」「神様は、○○ちゃんをとても愛しておられるのよ」と語りかけてあげてください。胎児を愛と祈りをもって守り、子どもの誕生を準備する心構えを持ちましょう。

 

2. 乳児

「女が自分の乳飲み子を忘れようか。自分の胎の子をあわれまないだろうか。たとい、女たちが忘れても、このわたしはあなたを忘れない」(イザ 49:15)。

生まれたばかりの赤ちゃんは、何もわからないように見えますが、実は全身で母親に触れながらこの世について学びます。母乳や肌の触れ合いなどを通して、母親を総合的に感じます。赤ちゃんにとって母親は、空腹を満たし、おむつを換え、寝かしつけてくれるなど、あらゆる必要を細やかに満たしてくれる全能者のような存在です。赤ちゃんは、母親の世話と反応を通して、この世は安全な所だという信頼を経験しなければなりません。2ヶ月頃から、だんだん母親を見分けられるようになり、母親と目を合わせたり、声を発したりしながら、母親という対象との愛着関係が始まります。

 

3. 愛着理論

愛着とは、赤ちゃんが母親、または世話をしてくれる養育者に特別になつくことを意味します。赤ちゃんが健やかに成長するためには、健全な愛着の過程が2歳前後まで必要です。母親だけに愛着する赤ちゃんは、後に母親から離れるのが難しいと考えられがちですが、実際はスムーズに母親から離れることができます。母親を通して心理的な安全基盤を確保したからです。十分な愛着を経験した赤ちゃんは、2歳頃を過ぎると、友だちや不慣れな環境にもよく適応できるようになります。また、情緒的に安定し、周りに対する好奇心も旺盛になります。働かざるをえない母親の場合でも、特に2、3歳になるまでは、赤ちゃんに優先順位を置いて時間を使うことをお勧めします。時間だけでなく質的にも子どもに高い関心を向け、子どもの必要を満たしてあげましょう。

 

4. 子どものセルフイメージを描く人

子どもは、白紙のような状態で生まれました。母親はその子どもの心にセルフイメージを描いてあげる画家のような存在です。母親が何気なく言った一言が、子どもの心を傷つけることもあります。低いセルフイメージを持った子どもは、劣等感を持ち、自尊心が低く、人間関係だけでなく、神様との関係においてもさまざまな支障が生じるようになります。反面、母親の愛情のこもった表現を通して健全なセルフイメージが育てば、子どもは自分の尊さを知り、恐れることなく世に向かって前進します。子どもを神様の観点で見つめ、尊い子どものセルフイメージを描いてあげましょう。

 

5. 「あなたは尊い」

愛は、必ず表現し、伝えなければなりません。愛は、表現して初めて、その効果を発揮します。心の中で愛していても、表現しなければ、子どもは愛を感じることができません。成長する子どもに愛を言葉に出して伝えましょう。たとえば「あなたは本当に大切な子どもよ」「大好きよ」「あなたを見てると幸せな気持ちになるわ」「きょうは、とても疲れていたけど、あなたを見たら疲れが吹っ飛んじゃった」など、惜しみなく愛情を表現してください。そのような言葉を聞いて育った子どもは、明るいセルフイメージを持つようになり、世の中でも愛される存在になるでしょう。

 

6. 無条件の愛

母親の愛は、無条件でなければなりません。無条件の愛とは、子どもの資格や成績、行動、外見などの条件に関係なく、子どもの存在そのものを尊び、愛することです。子どもに愛される資格があるから、またはかわいいから愛するのではなく、資格がなくても、失敗をしても愛するのです。この世は、勉強がよくできればほめ、有能であればその代価を受け、外見が良ければ愛されるという、条件つきの愛の法則によって動いています。しかし、母親はそうであってはなりません。つらく苦しいとき、飛び込んでいけるところは、母親の懐であるべきです。成績が落ちたとき、失敗したとき、お金や物をなくしたとき、劣等感に襲われたとき、母親を通して神様の無条件の愛を経験することができます。それこそが、神様の恵みを伝える母親なのです。

 

7. 子どもが失敗したとき

多くの母親が、子どもの失敗を受け入れようとしません。たとえば、子どもが誤ってコップを割ってしまったとき、「またやったの?」「どうして、そんなに不注意なの?」「だから気をつけなさいって言ったでしょう!」と、とっさに出てくる言葉によって、子どもは失敗に対する恐れを持つようになります。失敗しない人はいません。失敗は、学ぶ機会になります。失敗を恐れれば発展がありません。むしろ失敗を通して発展と成長があります。子どもが失敗したとき、「大丈夫よ」「けがしなかった?」「だれでも失敗するものよ」「失敗を恐れないで」「また次にがんばろう」と言ってあげましょう。このような表現が、将来的に子どもが人生で成功することができる力を与えるのです。子どもは、そのような言葉によって母親の無条件の愛を経験し、自分の失敗だけでなく人の失敗をも受け入れられる、心の広い人になるでしょう。

 

8. 「大好きだよ」というメッセージ

愛の表現は、毎日、必要です。きのうだけでなく、きょうも、子どもは母親の愛を食べなければなりません。子どもたちは、幼くても、生活の中で多くの困難を経験します。十代の子どもは、友人関係や成績などによって、多くのストレスを抱えています。そのとき、母親から「大好きだよ」というメッセージが携帯電話に届けば、励まされるでしょう。時には子どもに向けた愛のメッセージを紙に書いて子どもの机の上に置いておくのもよいでしょう。たとえば「がんばってるね」「お母さんが愛していること、忘れないでね」「お母さんは、いつもあなたの味方だからね」と伝えましょう。

 

9. 権威をもって訓戒する

母親は権威がなければなりません。実際、親の権威は、神様に代わって子どもを育てるようにと、与えられたものです。最近、子どもの言いなりになったり、「だめ」と言えないような母親が多いようです。しかし、それは愛ではありません。そのように育てられると、その子どもは後で手に負えなくなります。「むちと叱責とは知恵を与える。わがままにさせた子は、母に恥を見させる」(箴 29:15)、「あなたの子を懲らせ。そうすれば、彼はあなたを安らかにし、あなたの心に喜びを与える」(箴 29:17)というみことばを覚えましょう。

信仰の母は、神様の聖さと義と真理によって、神様に代わって子どもを正しく導かなければなりません。子どもを本当に愛しているなら、母親の権威をもって訓戒しなければなりません。母親の言うことを聞くよう教えなければなりません。今日の社会を見るとき残念なことは、子どもが先生や親の権威を尊重しないことです。しかし、子どもが正しい道に歩むことを願うなら、子どもが親を尊敬し、従うように育てなければなりません。そうしてこそ、子どもが敵を打ち負かすことができる兵士として整えられるのです。

 

10. イエス様に対する信仰の継承

この世は、最近、実に罪深く、混乱しています。誤った流行や文化、メディアなどにより、子どものたましいは攻撃を受けています。同性愛のような性的乱れが氾濫している時代です。学校も正しい知識を教えてくれる場所として信頼することができません。このような時代に、母親の役割はさらに重要です。

テモテは、母親から純粋な信仰を受け継ぎました。「私はあなたの純粋な信仰を思い起こしています。そのような信仰は、最初あなたの祖母ロイスと、あなたの母ユニケのうちに宿ったものですが、それがあなたのうちにも宿っていることを、私は確信しています」(Ⅱテモ 1:5)。祖母から母親に伝わった純粋な信仰が、子のテモテにそのまま継承されました。テモテの母ユニケは、母として成功したのです。

母親として何が最も大切だと思いますか。お金をよく稼ぐことが成功だと教えることですか。最も大切なものは、純粋な信仰です。純粋な信仰さえあれば、ほかのすべてのことは、ついてきます。子どもが創造主なる神様に人格的に出会いさえすれば、主ご自身が子どもを導いてくださいます。神様は子どもに大きな夢とビジョンと目標を与えてくださるでしょう。そのような子どもは、必ず神様に大きく用いられるでしょう。ですから、母親の最高の使命は、子どもに信仰と真理を伝授することです。そのためには、何よりも私たち自身が純粋な信仰によって生きなければなりません。母親の皆さん! 子どもの信仰のために絶えず祈る母親になりましょう。

 

祈りましょう

天の神様。母親の使命を教えてくださり、ありがとうございます。しかし、後悔ばかりが湧いてきます。これまで、主の方法で子どもを育ててこなかったことを悔い改めます。どうぞ赦してください。しかし、これからは、子どものためにさらに祈ります。私の子どもに出会ってください。そして、子どもに「あなたを愛している」と語りかけてください。主に出会えるようにしてください。主の温かい愛によって傷んだ心が回復し、変えられて、主に用いられる子どもになりますように。イエス様の尊い御名によって祈ります。アーメン。

 

イ・キボク

トーチ・トリニティ神学大学院、キリスト教カウンセリング学教授。オンヌリ教会協力牧師、ツラノバイブルカレッジ家庭ミニストリーディレクター。ラブソナタ講師。

 

 

本文は、『リビングライフ STORY 2018年11月』 (Duranno書院)より、抜粋したものです。

 

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