災害特別支援座談会(2) | |||||
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災害特別支援座談会(2)
日本CGNTV放送番組より
教会は災害時にどう備えるべきか
大友 近隣の教会との関わりを確認することが大切です。教団教派は違っても、教会は主にあって一つです。私たちの地域では、超教派11教会の交わりがあります。宣教も防災もその地域に遣わされた使命を果たすべきです。
草井 私たちの教会は3.11以降、教団を挙げて災害対策をしてきました。年に一度教区で避難訓練を行い、教団に報告をしています。実際の避難場所や経路も確認し、地域にどのように声かけをするかなどを検討します。
中村 熊本地震の後、毎月開かれる祈り会が始まり、災害支援を宣教につなげようという働きが生まれたのは大きなことでした。私たちの団体も、緊急の対応だけでなく、防災が起こる前に備えるという方向に移行し、3ヶ年計画「備える、つなげる、育てる」というスローガンを立てて進めているところです。
清家 防災よりもまず減災を考えています。第1段階として、教会を非常時の避難場所として認識してもらいます。教会はパンや飲み物を用意しておく必要があるでしょう。第2段階として、教会や教団とボランティアがつながります。第3段階として心のケアに目を向けるべきでしょう。
災害時のネットワーク
中村 災害支援は、損得抜きに関わっていかなければならない分野だと思います。イエス様のされた「友のためにいのちを捨てる」という姿勢が求められます。普段から、互いの人となりを理解し合えるような友情関係を築くことが大切です。
草井 岡山の諸教会もクリスマス賛美集会などで、40年くらい協力関係にあります。特に3年前に開かれたラブ・ソナタ岡山を通して、牧師たちの間で関係が築かれ、災害時も中心になって動きました。それを土台に、様々な支援団体ともつながっていきました。
清家 キリスト教会は、地域に働きかけるというネットワークの構築がとても早いと思います。普段からの連絡がさらに緊密になれば、もっと効果的に働けるのではないでしょうか。
孤立した教会を救うには
中村 教団教派は関係なく、日頃から都市部の教会とつながりを持ち、都市部の教会も普段からリサーチをしておくと、災害時に役に立つのではないかと思います。
草井 地方の方がつながりは作りやすいと思います。岡山に来て、何かを一緒にやるとなると、まず、どこかの教会とつながることを考えます。新しい教会が開かれると、声をかけます。
清家 難しいのは遠隔地とどのように連携を取っていくのかということです。遠隔地のケアのためには、教会のネットワークが必要です。
災害ボランティアに関して
草井 やりたいことが先行すると被災者に寄り添えないので、ボランティアの人たちは丁寧に説明をしながら取り組んでいます。
中村 最初は来ていただけるだけでも感謝だったのですが、弊害があるのも事実です。災害ベースを開設した場合は、一定の規則も必要になります。またハンガーゼロの助言により、地元のボランティアによる体制作りを心がけたことで、地域ぐるみで災害支援に携わることができました。
大友 KGKの学生が持ってきた注意事項のパンフレットが良かったです。ボランティアを受け入れるときには、そのようなものが必要だと思いました。また、時期や段階によって必要なボランティアが違うと思います。初期には泥かきなどの力仕事が必要で、その後は仮設住宅訪問などが必要になります。
メディアの働きに関して
大友 支援活動は現在も継続しており、そのことに価値があるということを伝える報道であってほしいと思います。願わくば、福音を聞いて変えられた人の証しを伝えてもらいたいです。
中村 CGNTVによるキリスト教的な立場での発信は、助けになりました。地域教会の働きを発信してもらうと、視聴者の方に祈っていただけます。一般のメディアとキリスト教のメディアとそれぞれ役割があるのかなと感じます。
草井 メディアの影響力は大きいので、一般のメディアは被害の大きな所を映しがちですが、CGNTVには目立たない部分の地道な働きも報道していただきたいと思います。
清家 企業ボランティアの方々が物資を送ってくれることは大きいです。様々な形で企業が協力してくださいますが、メディアでもこういうボランティアもあるということを取り上げてほしいと思っています。
中村陽志牧師(熊本ハーベスト教会、九州キリスト災害支援センター副理事長)、草井琢弘牧師(岡山めぐみキリスト教会、岡山キリスト災害支援室 委員長)、大友幸一牧師(塩釜聖書バプテスト教会、宮城宣教ネットワーク代表)、清家弘久氏(日本国際飢餓対策機構ハンガーゼロ理事長)
番組は下記のアドレスより視聴できます
CGNTV『災害対策特別座談会』 http://bit.ly/2V4p8IE