信仰のない人と結婚してもいいですか？

イ・サンヒ　ホサナ教会 主任牧師、プリンストン神学校 旧約学博士

私たちの教会に、生涯イエス様と教会しか知らずに生きてきた方がいます。その方の娘さんが、ある日突然びっくりするようなことを言ったそうです。結婚したい人がいるけれど、クリスチャンではないということでした。なんとか気持ちを落ち着かせ、彼と会ってみましたが、彼はこれから教会に通うので結婚を許してほしいと言いました。それでその方は、100日間早天祈祷会に出たら許すと言ったそうです。50日ほど続いた頃、寝坊してしまった彼は、初めからやり直すのでもう一度チャンスがほしいと言いました。そして、150日間の早天祈祷を終えて結婚した彼は、彼らの息子が大学を卒業した今でも早天祈祷会に出席し続けています。「私が」あるいは「わが子が」このような結婚ができればよいのですが、おとぎ話のように聞こえてしまうのが現実です。実際は信仰のない人と結婚し、信仰を失ってしまう若者がたくさんいます。信仰のない人と結婚しても大丈夫でしょうか。

子どもの結婚を控えた親たちへ

子どものことが思いどおりになる人はいません。嫁や婿を見ると特にそうです。アブラハムは86歳で最初の息子イシュマエルが与えられました。約束の子ではありませんが、特別だったその息子は、神様を知らないエジプト人の女を妻に迎えました。イサクも息子エサウの結婚問題で痛みを経験しました。エサウが妻に迎えたヒッタイト人の娘たちのことで妻リベカが「生きるのが嫌になった」と嘆くと（創 27:46）、イサクはそれに同意し、ヤコブに「カナンの娘と結婚してはならない」と言ってリベカの故郷に送ります（創 28:1～2）。しかし、両親の願いどおりに妻を迎えたヤコブは、果たして幸せだったのでしょうか。ヤコブは、4人の妻とその息子たちにより、言い表せないような痛みを経験しました。彼はエジプト王の前で人生を回想しながら、130年の人生は険しかったと語りました（創 47:9）。

だれもが子どものことは思いどおりにはならず、思いどおりになったとしても成功するとは限りません。子どもが信仰のある人と結婚して、うまくいっているなら神様に感謝すべきですが、もしそうでなくて苦労したとしても、それほど悲観する必要はありません。ルツは神様を知らないモアブ人の女でしたが、神様を信じている家庭に入って家を興し、ダビデの曾祖母になり、イスラエルにおいてたたえられる女性になりました。嫁や婿に信仰がないのであれば、ルツのような人になるように祈りましょう。豆の畑から豆が育ち、キュウリの畑からキュウリが育ちます。クリスチャンであるあなたが、わが家に入って来る人が立派なクリスチャンになるよう祈り、信仰の家庭を築きましょう。わが子が初穂となり、婿や嫁が後に続く実となるよう祈りましょう。

配偶者を求めて祈る人たちへ

思いどおりにならないわが子の結婚のことで気を落としている親御さんを慰めるようなことを書きましたが、若者たちは信仰の結婚を求め、努力するべきです。旧約時代に「牛とろばとを組にして耕してはならない」（申 22:10）と語られた神様は、その意味を信仰のない者とくびきを一緒に負ってはならないという意味に解説し、「光と闇に何の交わりがあるでしょう」と問い返されます（Ⅱコリ 6:14）。信仰のない人を伝道するという使命をもって結婚するつもりなら、その使命を果たしましょう。しかし、その使命はだれにでも果たせるものではありません。その使命に召されていないなら、その道は避けるべきです。そのようにいくら勧めても、すでに恋に落ちていて、結婚に突き進もうとする人もたくさんいます。愛をホルモンや神経伝達物質の作用によって説明する科学者たちは、この感情は3年以上は続かないと言います。配偶者ではなく、神様が私を幸せにしてくださるということを知ってください。同じように、神様だけが私の愛する人を永遠に幸せにしてくれます。一緒に神様を見つめるとき、幸せな家庭を築くことができます。

最近は結婚するのが簡単ではないためか、独身でいたがる人が増えてきています。しかし、人がひとりでいるのは良くないと言って神様が助け手を与えられたことを（創 2:18）軽く考えてはいけません。助け手とは、夫と一体となる人です。また、妻を受け入れて包む人です。アダムと一体となるエバが助け手であり、エバを深く受け入れて抱くアダムが助け手です。私の心を理解し、包み込んでくれる人がいるということは、とても幸せなことであり、だれかにとって、そのような存在になることもまた、すばらしいことです。

本文は、『リビングライフ STORY 2020年4月』　（Duranno書院）より、抜粋したものです。