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聖書は進化論を教えていますか?
by.CGNTV
hit 983 recomend 114 2020-09-08 06:12:52

聖書は進化論を教えていますか?

 

 

宇佐神 実 創恵聖書教会茨城チャペル牧師

 

 

なぜ死があるのでしょう。死を悲しまない人はどれだけいるでしょう。創造主の目に、死は善いものでしょうか。進化論では、病気や死は最初から存在していて、生物は弱肉強食によって殺戮や絶滅を繰り返しながら進化し、現在に至ったと教えます。ですから進化論を信じている人にとって、聖書の最初の3章に記されている天地創造と堕落の出来事は受け入れがたいことです。なぜなら、そこには最初に造られた世界には死がなかったこと、人の罪によって人も動植物も環境ものろわれ、病や苦しみや死がもたらされたと記されているからです。聖書を信じたばかりの人の多くは創世記の最初だけは信じられません。それは「進化論は間違いなく正しい」と信じているからです。

しかし実際には、進化論は、創造主は存在しないという前提で考え出された推論で、生物や人間が自然に出現したと説明しようとする仮説です。ダーウィンの時代と違い、現在では遺伝子についての理解が進み、猿の遺伝子が、人の遺伝子に変化しないことは明らかになっています。すなわち、猿から人が生まれることは遺伝的にありえず、そのような実例もありません。ノーベル賞を受賞した山中伸弥博士は、著書『「大発見」の思考法』(文春新書)で次のように述べています。「『進化論』はまだ誰にも証明されていないからです。なぜか日本人は、人間はみんな猿から進化したと信じていますが、証明はされていません」

進化論者によって信じられているように、死は最初からあって、人も進化して出現したというのが真実でしょうか。それとも聖書が教えているように、最初は罪も死もない非常に素晴らしい世界(創 1:31)を創造主が造り、人の罪によって死が存在するようになったというのが真実でしょうか。

創世記3章には、アダムとエバがサタンに従い創造主に逆らって罪を犯したために、創造主の支配から切り離されてサタンの支配下に囚われてしまったことと、そのすぐ後に罪に対するさばき(のろい)が行われたことが記されています。その最後には、人に肉体の死が入ったことが語られています(創 3:19)。しかしそれだけでなく、さばきの時に最初の救いの福音も記されていて(創 3:15)、エバの子孫から救い主が生まれ、サタンの頭を踏み砕き(サタンを滅ぼし、サタンの支配を終わらせることの比喩)、サタンが救い主のかかとにかみつく(救い主を十字架にかけて血を流させることの比喩)ことが預言されたのです。ですから、アダムの罪によって死が入ったことと、キリストの救いによって再び永遠の命を取り戻すことができることは切っても切れない関係にあります。

パウロも、アダムの罪のために死がこの世に入ったこと、そのために被造物が虚無に服してうめいていること、すべての人も創造主に対して罪を犯し死に囚われていること、その囚われた状態から救う世の光としてキリストの十字架上の贖いの死があったことを教えています(ロマ 5:12;8:19, 20、Ⅰコリ 15:21, 22)。そして、やがてキリストは「最後の敵である死も滅ぼされ」(Ⅰコリ 15:26)るのです。創造主のことばである聖書は、死が最初からこの世に存在したのではないことをはっきりと告げています。死がアダムの罪によってこの世に入ったからこそ、私たちに救い主が必要なのです。

創造を信じない人によって考案され、アメーバが長い年月をかけて人間になったという進化論は、山中博士が言うように証明されていないし、誰も観察して証拠を挙げることもできない推論です。その事実を私たちはきちんと把握しておくことが大切です。もちろん、進化論を信じていても、自分の罪を贖うためにキリストが身代わりに死んでくださったことを信じれば救われるでしょう。しかし創世記1~3章を史実ではないと考え、教えるなら、人になぜ原罪があり、救われなければならないかの根拠を語れなくなるのです。

証明されず、観察もできない人間的思想(進化論)を信じて聖書を否定するのではなく、聖霊によって記された真理のことばである聖書をそのまま信じましょう。もし、あなたが信頼する人に真実を話しても、相手が先入観からあなたのことばを否定したら悲しくなるでしょう。私たちを愛してくださる創造主も、私たちが人間的思想を信じて聖書のことばを否定するなら、悲しまれるのではないでしょうか。逆に私たちが真理のことばとして与えられている聖書をそのまま信じるなら、主は私たちを本当に喜んでくださるでしょう。最初の人は、サタンのことばを信じ、主のことばをないがしろにして罪を犯しました。私たちは最初の人に倣うのではなく、聖書のことばに堅く立ってサタンの誘惑に立ち向かったキリスト(ルカ 4:2~13)に倣って生きようではありませんか。

 

 

宇佐神 実

創恵聖書教会茨城チャペル牧師、ジェネシスジャパン会長。全アジア創造協会コアメンバー。JTJ宣教神学校講師。クリスチャン・ヘリテイジ・カレッジ(現サンディエゴ・クリスチャン・カレッジ)聖書学部卒業、カリフォルニア大学バークレー校文理学部卒業。

 

本文は、『リビングライフ STORY 2020年9月』 (Duranno書院)より、抜粋したものです。

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