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福音、新しいぶどう酒は新しい皮袋に!
by.CGNTV
hit 307 recomend 84 2020-10-20 09:29:55

福音、新しいぶどう酒は新しい皮袋に!

 

ド・ユッカン Duranno 海外宣教会(TIM)理事

 

 

最近、「ポストコロナ時代の変化」が話題になっています。多くの専門家は、コロナ以前のような世は、再び来ないだろうと見ています。「BC/AC」(Before Corona / After Corona)という造語までできました。生活の全領域にわたって大きな変化が求められ、第4次産業革命の実用化もさらに加速するでしょう。ポストコロナに関する本や情報があふれていますが、実際、未来学者でも5年後の展望が難しい不確実な世界が迫っています。

コロナ危機により、世界の宣教界でも危機感を強めています。多くの宣教師が感染の拡散を避けて一時帰国し、新たな宣教師の派遣は無期限で延期されています。また、以前のように個人的に接触して伝道したり、会衆を集めて伝道集会を開いたりできない状況になっています。しかし、コロナ危機は短期で終わらないという専門機関の発表を見ると、宣教も新しい時代を迎えたと言えます。ポストコロナ時代の宣教戦略は、「だれも行ったことのない道」に直面しています。確かに簡単ではなく、解決策もなかなか出てこないように見えます。

私たちは、激動の時代であるからこそ、本質に戻らなければなりません。もう一度、基本から始めるのです。私たちの信仰に基づいた宣教の本質は明らかです。すべての人は罪によって霊的に死んだ状態にあり、その救いの唯一の道はイエス・キリストであるということ、そして、先に福音を知った者が人々に宣べ伝えなければならないということです。「みことばを宣べ伝えなさい。時が良くても悪くてもしっかりやりなさい」(Ⅱテモ 4:2)。この聖なる負担を与えられていないクリスチャンはいません。福音を信じて永遠のいのちを受けたなら、その福音を伝える使命も与えられているのです。

福音は、対象と地域、時代によって方法と戦略を変えて伝えられました。新しい時代の宣教プロセスと戦略的な挑戦は簡単でないのは確かですが、これまで福音はすべての障害を乗り越え、時代を変化させてきました。「世にあっては苦難があります。しかし、勇気を出しなさい。わたしはすでに世に勝ちました」(ヨハ 16:33)。世に勝ち、暗闇の力を打ち破られた主が私たちにも勝利を約束してくださっています。今回は、世界の環境の変化とともに、どのような宣教戦略が必要かを調べ、今後のポストコロナ時代の宣教について、詳しく見ていきたいと思います。

第一に、この100年間に起こった福音の驚くべき現場を見てみましょう。「偉大な宣教の世紀」と言えるこの100年間、キリスト教はものすごいスピードで成長してきました。毎日10万人がクリスチャンになり、毎週4千5百の新しい教会ができました。アフリカは、1900年には3%未満がクリスチャンでしたが、現在サハラより南のアフリカは50%がクリスチャンであり、毎日2万5千人が信徒になっています。中南米は1900年にはプロテスタントは5万人にすぎませんでしたが、現在は1億人ほどと推定されます。中国は1950年に共産政権が擁立された頃には100万人の信徒がいましたが、現在は1億人ほどいます。毎日3万人の新しい信徒が生まれています。そして、伝統的な宣教国であった西欧の教会よりも、非西欧の教会が現在、より多くの宣教師を送っています。福音化率も時が経つほど早くなっています。全世界的にクリスチャンが世界の人口の0%から2.5%まで成長するのに1800年かかりましたが、2.5%(1900年)から5%(1970年)まで成長するのに、わずか70年しかかかりませんでした。そして、5%から11.2%(2000年)に成長するのには、30年しかかかりませんでした。福音の速やかな広がりは、キリスト教の中心軸を過去の北半球から南半球に移しました。

第二に、このような驚くべき教会の成長にもかかわらず、今でも霊的な荒れ地はたくさん残っています。福音を聞いたことのない人が世界に3分の2も残っているのです。ヨシュアプロジェクト(www.joshuaproject.net)によると、世界の人口77億5千万人のうち、クリスチャンは32%にすぎません。残りの68%にあたる47億9千万人は、福音を知らないまま死ぬしかないのです。特に、そのうち41%にあたる32億人は、周りに教会もなく、福音に触れる機会のない未伝道民族です。このように、今でも7千3百あまりの民族は福音から疎外されています。彼らはイスラム教(41%)、ヒンドゥー教(34%)、部族宗教(23%)などに属しています。だれかが文化的、宗教的、人種的な壁を越えて、彼らに福音を伝えなければ、彼らは一生福音を聞くことができないのです。それは、私たちの時代の悲劇です。

また、未伝道地域に属している人々は、ほとんどが北緯10度から40度の間の地域に集中しています。私たちが、「10/40の窓」と呼ぶ戦略の必要な地域です。最も貧しく、不遇で、家庭暴力を受けている子どもたちや文盲の人々が集中している地域でもあります。エイズ、結核、マラリアなどの病気が広がりやすい地域ですが、ほとんどは検査も治療もできないのが実情です。また残念なことに、政治的、宗教的な体系と、地理やライフスタイルによる障害のために、表立った宣教活動が難しいのが現実です。何よりも、そのような大きな必要に応えることができない宣教支援の現実が問題です。この地域には、様々な理由で福音を伝える宣教師の数が少なく、その結果としてキリスト教宣教に用いられる財政のうち、0.5%しか未伝道民族の宣教に用いられていないのも、残念なことです。この深刻な不均衡を解消しようと、宣教界は努力を続けてきましたが、これからもさらに力を尽さなければならないでしょう。

では、21世紀の宣教環境は、どのように変化しているでしょうか。世界の変化を単語で表すと、グローバル化、都市化、情報化、宗教間の葛藤、ポストモダニズム、宗教多元主義、移住民および難民の増加などです。このような変動の時代における宣教環境の変化と、宣教の戦略について調べていきたいと思います。

 

1.宣教環境の変化

(1)キリスト教の中心地の移動

キリスト教の中心地は北半球から南半球に、北米から東アジアに移動しています。短い期間に起こったアジア、ラテンアメリカ、アフリカの教会のリバイバルにより、現在キリスト教人口の62.5%が南半球、すなわち以前の非宣教国に集まっています。

 

(2)宣教師の派遣の中心地の移動

これまでヨーロッパとアメリカ合衆国が宣教師の派遣の中心地でしたが、次第にその座が非西欧圏出身の宣教師に入れ替わっています。1974年のローザンヌ世界宣教大会以後、25年間、非西欧圏の宣教師は、300倍の増加率を記録しました。今後30年以内に、アジアとアフリカ、ラテンアメリカの宣教師が全体の80%以上を占めることでしょう。そのような意味から見ると、東アジア三国、日本、中国、韓国の宣教的な役割はさらに重要になっていると言えます。

 

(3)多極的な宣教団体の成長

西欧の宣教団体は、宣教師の支援者数が減っていて、人的補充が困難になっています。最近、OMF、WECなど宣教をリードしていた西欧の団体が、アジア地域に宣教本部を移動させています。西欧の宣教団体は、自分たちの宣教の経験や組織を基盤にして、第2/3世界の宣教の人的力を結合させようと試みています。

 

(4)地域教会の宣教の役割の増加

これまで、宣教団体が宣教師の派遣と働きの管理をし、地域の教会は単に宣教師を支援する程度でした。しかし、最近になって、地域の教会が既存の宣教団体の助けを受けず、自分たちで宣教組織や機関を設立し、宣教の働きを進めていく傾向が強くなっています。

 

2.宣教の使命を果たすための戦略

(1)宣教の本質に忠実に

宣教の妥協できない究極的な本質は、失われた者を捜しに来られた神の御子から見出さなければなりません。神は、ご自分のかたちに造られた人間が罪を犯して堕落し、主から離れたとき、御子イエス・キリストをこの地に最初の宣教師として遣わされ、私たちを救う計画を実行されました。それが、すべての宣教の典型にならなければなりません。教会は、それをなすために存在しています。ですからクリスチャンにとって究極的な人生の目的は、その神のみこころを成し遂げることです。身近な隣人を伝道し、今でも福音が伝えられていない部族のために、宣教の努力を続けていかなければなりません。

 

(2)全体的な宣教の道を開く

世界の教会の中には、宣教に対する始まりの違いが存在しています。個人の救いを絶対的な目標にするべきだという福音派のグループと、社会の救いと対社会的な責任を「神の宣教」として定義している社会派のグループの、長い葛藤がありました。しかし、21世紀になってからは、両サイドとも極端にならず、互いから学び、総体的な宣教を目指し始めました。福音伝道によるたましいの救いを最も緊急で重い使命として受け入れながらも、地域や国家の必要に敏感に反応しながら、社会変革を図ることにより、総体的な癒やしと回復、愛の共同体を築いていかなければなりません。

 

(3)あらゆる道具を用いる

ポストコロナ時代は、非対面、非接触が常識となる社会になるでしょう。現代を生きるほとんどの人々は、ユーチューブやツイッター、フェイスブックなどのネットワークサービスに慣れ、人類の半分以上が活用しています。仮想空間の中で、福音に触れる機会が大きく開かれているという意味です。時代の変化によって、宣教の戦略もさらに創意的で柔軟な形態に変わらなければなりません。

 

(4)すべてのクリスチャンが宣教師である

「キリストのいないたましいはすべて宣教地であり、キリストのいるたましいは、すべて宣教者です」 イエス・キリストをメシアだと信じている人であれば、この世に対して宣教的な人生を歩むべきです。伝統的な宣教師以外にも、非正規宣教師たちの活動が、どの時代よりも活発になる時です。特に、多くの移住民と難民たちが私たちのそばにもたくさん見られるようになりました。私たちに近づいて来た「地の果て」です。私が生きている地域社会や職場こそが、礼拝の場、つまり宣教地にならなければなりません。また、非居住宣教の働きの機会もたくさんあります。職場や学業、余暇生活など、多くのクリスチャンが他文化圏に行って旅行を楽しむこともあります。福音を伝え、神の愛を現す機会がたくさんあります。

私たちの人生のすべての領域をキリストが治めてくださるよう喜んで差し出し、私たちを通して神の国が広がるよう、価値があり、祝福された人生を生きられますよう願います。

 

 

ド・ユッカン

韓国 長老会神学大学院(神学修士号)。

米国 フラー神学大学院(宣教牧会学博士号)。

韓国 ヤンジ・オンヌリ教会 主任牧師。

Duranno 海外宣教会(TIM)理事。

 

本文は、『リビングライフ STORY 2020年10月』 (Duranno書院)より、抜粋したものです。

 

 

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