QTでさらに豊かになる教会

梅谷悟　加古川バプテスト教会 牧師

加古川バプテスト教会にとって、2020年は「変化を喜び、不便を楽しむ」１年になりました。コロナ対応の中、教会に与えられた使命「礼拝・宣教・交わり」を行いたいとの願いをもって過ごしました。毎週、次の礼拝方法と場所を決め、リーダーに連絡し、変化に満ちた礼拝を楽しみました。新会堂建築のために旧会堂を解体したことから、敷地内の2～6カ所の建物に分かれての礼拝もありました。この期間、礼拝出席者が増え、信仰告白をした方が24人いました。また、2020年4月に新しいチャペルを開設しました。宣教の使命が与えられた30人を派遣し、礼拝と宣教が始まりました。現在、毎回40人を超える人々が礼拝しています。

この期間、教会が大切にしたことは、「主が望んでおられることを聴くこと」でした。新会堂のための献金と教会債を2021年１月にしました。2018年に続いて2回目の献金でした。2018年メンバーは会堂献金を通して、祈りに応えてくださる主のすばらしさを経験しました。その経験を、新たに加えられた人たちにくりかえし証ししました。新しく加えられた人たちが、主の約束の確かさを味わい、祈りに応えてくださる主を経験したいと願いました。

そこで、1月17，24，31日の礼拝で、2回目の会堂献金をすることにしました。必要額は5千万円。そのときに伝えました。「会堂を建てることが第一の目的ではなく、会堂建築は教会建築であることを覚え、主とともに歩み、もっと主を喜ぶ教会になることが目標です。主のみこころを尋ね、示されたら、信じて受け取りましょう。その時、主が献げるものも与えてくださると信じてください。無理をしない、自分の力でしない、主が示されたことをするということを覚えてください」

『リビングライフ』を通して、みなで同じ聖書箇所を読み、主に聴くことを勧めました。このことが教会を一つにしました。1月17日、第1回目の献金と教会債が献げられました。1月24日、第2回目の献金の報告を聞いたとき困ってしまいました。必要額を超えてしまったのです。３回目をどうするか主に尋ねたところ、従おうとしている人たちがいることが分かり、予定通り行うことにしました。教会のメンバーに必要額が満たされたことを報告し、1月31日に3回目の献金をするので、必要のためではなく、QTを通して示された主のみこころに従うように伝えました。1月31日、献金と教会債が献げられました。合計7585万9600円。会計から報告を聞いたとき、心が震えました。メンバーに報告したとき、喜びと拍手が湧き上がりました。

メンバーが話してくれました。「主は祈りの中で、私の心にあるすべての思いを探ってくださいました。私はいったい、何に頼って生きているのか、蓄えているお金ではないのか……。『地上に宝を蓄えるのはやめなさい。自分のために天に宝を蓄えなさい』 心に平安が来ました。感謝と喜びが来ました。献金とは、預けられたものを信仰によって、主にお返しすることなのだと深く教えられました」 その献金の使い道は、すぐに決まりました。隣接している田んぼを駐車場用地として購入する交渉を開始し、3月12日に売買契約をしました。

加古川バプテスト教会は、QTにより、主のみこころに聴き従う教会になりました。今年4月からの定期購読申込者は21人増えて266人になりました。リーダーは、イエスさまを信じる人がいると、『リビングライフ』をプレゼントします。次の月からは、その人が自分で購入して聖書を読み、QTをします。自分視点から、神さま視点で物事を見るように変えられます。

『リビングライフ』を通してQTをしてきたメンバーの経験を紹介します。「みことばを読み、要約を通して分からないところを教えられ、エッセイを通して生きた証しを教えていただいた。朝の時間を楽しみにしている」「主と個人的に深く交わる時が与えられている。神さまの偉大さ、素晴らしさを知った。自分の弱さ、足りなさを覚えるが、そういう時にこそ、神さまが迫って来られ、立ち上がる力を与えてくださる」「クリスチャン生活が変わった。自分の願い中心から神のみこころ中心になった。私の主はイエス・キリストと告白する喜びを味わっている」「今日の祈りというところをそのまま祈るようになって、自分の言葉を超えて、深くて新しい祈りの言葉が与えられている。祈りも成長できるという嬉しい発見だった」「時間をとって祈り、賛美してから始めると、みことばを直接いただけ、感動で涙があふれることがしばしばある。神さまは私のことをよくご存じで、愛してくださっている。心を静め､神さまが私に語ってくださることに聞き従っていきたい」

QTによって、人中心から神中心のクリスチャン生活に変えられています。QTによって神のみこころを受け取り、信じ従う教会に変えられています。

梅谷 悟

加古川バプテスト教会牧師。

認定こども園ちいろば保育園、小学校から高校までのインターナショナルスクール KBCI を運営。

高齢者介護ためにNPO法人ライフサポート加古川を設立し、介護施設を運営。

本文は、『リビングライフ STORY 2021年6月』（Duranno書院）より、抜粋したものです。