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「モンゴルキッズの家」神様が始められ、満たされるミッション
by.CGNTV
hit 384 recomend 54 2021-12-06 04:14:20

「モンゴルキッズの家」神様が始められ、満たされるミッション

 

 

高見澤栄子 「マンホール・チルドレンを支える会」支援会代表

 

 

クリスマスの時期のモンゴルは、気温が零下40度まで下がります。帰る家がない子どもたちは、温水パイプの通るマンホールの中で生き延びるので、マンホール・チルドレンと呼ばれます。1991年のソビエト連邦の崩壊に伴い、衛星国モンゴルも社会が混乱し、失業率は6割を超えました。多くがアルコールに走り、その被害は家庭と子どもたちに及びました。虐待で家出したり、出稼ぎに街に出されたりした子どもたちが、首都ウランバートルのマンホールに4500人も集まっていました。NHKは、その中の3人、ボルド、ダシャ、オユナを追い、ドキュメンタリーを作りました。親がいない彼らは、ゴミ箱からあさったものや悪いことをして手に入れた物で生き延びるしかありません。私は23年前にその番組を見て非常に心が痛んだのですが、神学校を卒業したばかりで何もするすべがなく、「いつかこの子たちを助けることができますように」と祈るだけでした。

2008年に「10年後のマンホール・チルドレン」という追跡番組が作られ、それがインターネットに載ったのは2017年でした。マンホールにいた3人は、それぞれ20代の若者となっていました。しかし状況は悲惨で、1人はアルコール依存、1人は自死念慮、1人はゴミから物を集めて売る仕事をしながら、電気も水も無い地下室で8人の家族を養っていました。そんな映像を見て心が刺され、自分の長年の祈りは単なるリップサービスのように思えてなりませんでした。「この最も小さい者たちの一人にしなかったのは、わたしにしなかったのだ」(マタ 25:45)というみことばが心から離れませんでした。でも、居場所の分からないこの3人にどうやったら会えるでしょう。その時、神学校にいたモンゴル人学生に相談すると、「ぼくのモンゴルの教会で、最近救われたアルコール依存者が、テレビに出たことがあると言ってましたよ」というのです! なんとそれは、あの3人の1人でした。神様の後押しを感じて、教会のリーダーたちと話し合い、子どもたちの働きを始めることになりました。教会も私も全く経験がなく、ゼロからのスタートでした。

それからは聖霊の追い風を受けたように、驚くようなスピードで事が進みました。3月に祈り始め、モンゴルチームは施設の確保や奉仕者の訓練、子どもの選抜などに当たり、支援会は祈りのサポーターを募り始めました。見事なホームページを、無料で3つの言語で作ってくれる人が現れました。日本の事務局の奉仕者も貴重な活動の基礎を築いてくれました。かわいいロゴもでき、協力アーティストも加わり、思いがけない方たちの助けを得て、驚くようなスピードでキャンペーンが展開しました。そして、その年の9月には、小さな家を借りて6人の子どもたちを預かり、「モンゴルキッズの家」がスタートしたのです。その後も次々と驚くような神様の御業が起きました。マンホールの子どもたちが人身売買の犠牲となっていると知って祈っていると、競売物件の建物が安価で与えられました。それはシングルマザーと子どもたちを招くのに最適の建物でした。しかも、1年目に集まった支援金で入手することができたのです。現在は25人の子どもたちとシングルマザー8人を、9人のスタッフを雇用してケアしています。支援会は日本、韓国、US、シンガポールのメンバーが、皆ボランティアで奉仕し、このために祈ってくれるドリームトゥゲザーのメンバーは2400名となりました。働きは、救済、回復、養育、独立、そして社会に働きかける防止と、他の教会への拡大と6つのステップを目指しています。

驚くことに、NHKが、神様に出会った後のボルドとダシャの新しい人生を、2時間の追跡番組として作成し、放映しました。それは大きな反響を呼び、ギャラクシー賞、NHK CEO賞、BSオリジナル賞、文化庁の芸術祭グランプリを受賞しました。モンゴルの社会から爪弾きにされたボルドとダシャが、友情を大切にし、神様にあって新しい人生を目指す生き方は、多くの視聴者の心を打ち、受賞に至ったのだと思います。

先日、モンゴルキッズの家にいる年長の子ども6人に「将来何になりたいか」と聞くと、警察官、消防士、先生、医者など、社会の役に立つ仕事を夢に描いていました。彼らの親が依存症や犯罪歴などで通常の社会生活ができない人であることを思うと、神様の恵みの中で、社会と自分を真っ直ぐに見つめていることに感激しました。一人ひとりが神様に与えてられているいのちと賜物を用いて、神様の栄光を表す人生を生きるようにと私たちは心から願います。イエス・キリストは、そのためにもこの世に降りて来てくださったのです! 祝降誕!

 

 

高見澤栄子

前トーチトリニティ神学大学院 宣教学教授。モンゴルキッズの家「マンホール・チルドレンを支える会」支援会代表。ローザンヌ・グローバルリスニングチーム コ・リーダー。ローザンヌ神学作業部会。

 

本文は、『リビングライフ STORY 2021年12月』(Duranno書院)より、抜粋したものです。

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