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喜びのクリスマスを
by.CGNTV
hit 223 recomend 46 2021-12-21 13:37:28

喜びのクリスマスを

 

石田敏則 石岡シオン・キリスト教会牧師

 

 

新型コロナウイルスの感染拡大が収まらず2年目のクリスマスを迎えようとしています。まさか、こんな状態が世界的な規模でこんなにも長く続くとは、想像もしていませんでした。

私の関わる委員会でもすべてがオンラインによる会議となり、一度も直接顔を合わせたことのない人もいます。教会の礼拝も出席者を制限したり、会衆のいない礼拝堂からネット配信されたりしている教会も多くなりました。今まで教会が大切にしてきた、共に集い、神を賛美し、共に祈り、信仰の友と交わり、食事を共にする。これらのことが、感染の拡大につながる要因であることから、多くの教会が自ら感染しないことに心を配り、他の人に感染させないよう、愛の心をもって自粛してきました。ネット礼拝による大きなメリットもありました。私は、ネット配信を否定する者ではありませんが、その中で私たちの礼拝とは、いったい何なのか、教会の交わりとは何なのか、その本質が問われているように思います。

今後、いつまでこの状態が続くのか、コロナ感染前のような交わりが回復するのか、先の見えない状況ではありますが、物理的な距離を保ちながら、一人ひとりの心の距離を縮めるべく交わりを回復したいと願っています。

教会のリーダーたちとの会議の中で、「教会は、このような状況の中でも経済的には支えられている。しかし、一年以上、教会は伝道する機会を失い、受洗者は例年の1割程度となってしまっている。今後のことを考えると不安になる」と、正直な思いを語ってくださいました。先が見通せない本当に暗い困難な時代に置かれていると思います。

しかし、神はこの困難な状況さえ喜びに変えてくださるのです。クリスマス、それは喜びの訪れです。暗黒の時代の中に光り輝く希望の光が現れたのです。そして、今私たちは、その喜びに入れられているのです。喜びは、内からあふれ出てくるものです。闇が暗ければ暗いほど、光は輝きます。私たちは日々の生活の中で、その喜びにあふれ、喜びを証しするのです。伝道会やイベントを実施することは難しいでしょう。ですから、個人的な繋がりの中でキリストを証しすることが、大切なのです。コロナの中、私たちは自らの信仰のあり方を点検し、日々の歩みの中に生かしていきたいものです。

今から200年前、オーストリアのオーベルンドルフ村の聖ニコラウス教会でクリスマス・イヴの前日に教会のオルガンの音が出なくなりました(理由はネズミにかじられた等、諸説あり)。オルガン修理士が来るのに1週間かかり、それではイヴの集会には間に合いません。村の聖歌隊は、この日に合わせて懸命に練習を重ねてきました。複雑で難しいクリスマス・カンタータを、オルガンの伴奏なしで歌うことは困難でした。

クリスマスに歌う賛美歌の伴奏ができない、これは教会にとっては大問題でした。教会に派遣されていた25歳の若い牧師ヨーゼフ・モールは途方にくれます。そこで彼は、もし、クリスマス前夜の神聖さを表現する歌詞があり、メロディーが付けられたら何とかなるかもしれないと考えました。そう思った瞬間、クリスマスをイメージした歌詞がほとばしり出、彼は詞を書き上げます。そして、教会のオルガニスト、フランツ・グルーバーに、この詞に曲をつけてくれるように依頼しました。グルーバーは、最初は拒否したのですが、ヨーゼフの説得もあって詞に曲をつけることを了承しました。グルーバーが曲を完成させたのは、教会でイヴの集会が始まるわずか数時間前のことでした。聖歌隊と合わせる時間はありません。ヨーゼフとフランツはデュエットで歌うことにし、聖歌隊には最後の行だけを繰り返すことにしてもらいました。

ヨーゼフ牧師がギターで伴奏をしながらテノールを歌い、オルガニストのフランツはベースを歌う。そして聖歌隊が最後を繰り返す。このようにして、クリスマス・イヴの集会で新しい賛美歌が生まれました。その曲は出席した人々の心を捉え、人々に感動を与えました。その曲こそ、今では世界中で最も親しまれている「きよしこの夜」なのです。数日後、オルガン修理に訪れた修理士がその詞と曲の楽譜を見つけ、行く先々の町で演奏して紹介しました。ヨーゼフもグルーバーも事の結末を知る由もありません。オルガンが壊れた困難を、神は最高の曲が生まれる機会としてくださったのです。神は、困難や試練の中からも素晴らしい喜びを与えてくださるのです。

「メリークリスマス」……この言葉は神の喜び、歓喜の意味です。試練と共に脱出の道を備えてくださる主と共に歩んでまいりましょう。今年のクリスマスが、皆さんにとって試練や苦難から素晴しい喜びを経験するクリスマスとなりますように。

 

 

石田敏則

1955年、北海道に生まれ、20歳で信仰を持つ。今年4月より37年牧会していた教会から転任し、新しい地での牧会にあたっている。シオン・キリスト教団理事長。日本伝道会議会長。日本福音同盟理事長。

 

 

本文は、『リビングライフ STORY 2021年12月』(Duranno書院)より、抜粋したものです。

 

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