クリスチャンの結婚生活 | |||||
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クリスチャンの結婚生活
ペテロの涙 代表 大西明美
結婚について
クリスチャン専門の結婚相談所「ペテロの涙」にやって来る人たちは、結婚したいと思って人たちです。その理由はさまざまですが、多くが前向きなものではありません。親からのプレッシャー、周りの人たちが結婚し始めて焦っているなどという理由が大部分です。苦痛から逃れるために婚活を始めるのです。
しかし、自分の苦痛から脱出させてくれる人を求めて結婚すると、どんどん孤独感に陥っていきます。一つ前の世代では、お見合い結婚が恋愛結婚を上回っていました。女性が働く場所がない時代で、女性は一人では生きていけないからという理由で結婚したものです。しかし、今は経済的な理由では結婚しない時代で、クリスチャンにとってはよい時代だと言えるかもしれません。愛がなければ結婚はできないからです。
では「愛」とはなんでしょうか。仲人さんはよく「高望みをしたら結婚できませんよ」と言います。高い理想を追い求めることは、愛のない行為だからです。結婚はどこかで犠牲を払わなければならないものなので、犠牲を払う覚悟を持ちなさいということです。自分の理想を追い求めるのは悪いことではありませんが、自分の理想を神様が良しとされるかどうかは全く別の問題です。ですから、理想を追い求めるだけでなく、神様はほかの選択肢を与えておられるかもしれない、ということを覚えておかなければなりません。
結婚に関して欠かせないもう一つのことは、「相手のために生きる」態度を持つことです。配偶者に「この人は私に何をしてくれるのか」といつも考えていると、不満がたまる一方です。また、自分と他人の結婚生活を比べてばかりいると、自分のマイナス部分ばかりが見えて、他人の結婚生活をねたむようになります。
神様は「あなたにはこの人がふさわしい」と言っておられます。結婚したカップルは、簡単に別れることはできません。一生続く夫婦関係の中で、自分は相手にどのように愛情を注ぐのかということを意識するべきではないでしょうか。主は私たちに最も良いものを与えてくださいます。「私たちの選択肢を神様にお渡しします」と言うことは、神様に対する愛の表明でもあります。神様は私たちが愛を選択できるように力を与えてくださいます。私たちはクリスチャンとして、自分の生活をよくするためではなく、「愛による素晴らしい結婚」というものを証ししていく役目が与えられています。
夫婦について
私は、夫婦の対極は独身ではなく、恋愛だと思っています。恋愛感情は相手に恋している状況で、そんな時は相手の欠けている部分や弱い部分が目に入りません。しかし、夫婦になると、24時間一緒にいます。そうすると、人は冷静になり、だんだん欠けている部分が見えてくるようになります。お互いの「ゴミ」が出てくるのです。出ないと思っていたゴミが出るようになると、人はイライラします。
この「ゴミ」に出くわしたとき、どういう態度をとるか、それが幸せな夫婦生活のかぎです。ゴミがあるとわかったら、ゴミを取り除くことができます。しかし、ゴミは、うまく処理しなければ、どんどん溜まっていきます。夫婦生活の喜びは、自分の中にあるゴミを取り除いていく喜びです。私には子どもがいないので単純なゴミですが、子どもがいると複雑です。子どもによって互いの立場が大きく変わってくるからです。もし恋愛感情によって、いろいろなものが隠されているうちに子どもができたとしたら、互いの失望感が大きくなるかもしれません。しかし、そこにはシンプルな解決方法があります。一緒に祈ることです。
私たち夫婦は、「夫婦が一緒に祈る」ことを教会で教えてもらい、毎日朝夕欠かさず一緒に祈るようになりました。すると相手を赦す心が与えられ、神様がゴミを回収してくださることを経験するようになりました。
ところで、愛がなければ、ゴミが出るようになります。別れたいと思うのは「この人に愛が感じられない」と思うからです。『愛を伝える5つの方法』という本には、愛を伝えるのに5つの言語(肯定的な言葉、サービス行為、プレゼント、一緒に過ごす時間、スキンシップ)があると書かれています。私が愛を感じるのは、肯定的な言葉なので、夫がプレゼントをくれても、愛を理解できませんでした。互いに愛情の注ぎ方がわからなかったのです。ですから、互いにどのタイプなのかを知っておくと、どのように愛を伝えればよいのかがわかります。
夫婦生活で大切なのは、やってしまったことで出るゴミと、やらないことで出るゴミに対して、どう対応していくかということです。神様に祈り、相手が理解しやすい言葉で伝えるようにするだけで、神様から祝福された幸せな結婚生活を送ることができるでしょう。
本文は、日本CGNTVの番組「キボウのトモシビ」の中の放送内容を要約したものです。