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いのちを生かす愛 ~絶望から希望の日々へ~
by.CGNTV
hit 1270 recomend 182 2019-11-05 10:08:48

いのちを生かす愛 ~絶望から希望の日々へ~

 

 

日本CGNTVドキュメンタリーより

 

 

和歌山県の三段壁は、観光の名所でありながら、多くの人が絶望の果てに、いのちを絶つために訪れる場所でもあります。この場所に一つの電話ボックスがたたずんでいます。これは、1979年に白浜バプテストキリスト教会の江見太郎師が設置した、白浜レスキューネットワーク「いのちの電話」です。この電話は39年間で1500名を超える人々を救ってきました。そして、99年4月、藤藪庸一師が江見師の働きを引き継ぎ、白浜のたましいのケアをする働きに専念しています。

藤藪師 「江見先生は神学校を卒業する前に白浜を訪れ、三段壁に行き、そこで自殺をされる方が多いという話を聞いたそうです。その夜、『捕らえられて殺されようとする者を救い出し、虐殺されようとする貧困者を助け出せ』(箴 24:11)というみことばをいただき、もし白浜に自分が牧師として遣わされることがあれば、自分は三段壁で自殺防止の活動をしようと決めました。それから数年経って白浜に来ることになり、その思いを79年に実現されたのです。私は、牧師の働きには三段壁の活動も含まれていると考えています。それまで20年続いていましたから、これを引き継ぐべきだと覚悟させられました」

白浜レスキューネットワークでは、死を免れた自殺志願者たちが生活再建を目指して、共同生活を送っています。また、藤藪師は、彼らの自立を助けるために小さなお弁当屋さん「まちなかキッチン」を運営しています。

包装を担当する渋谷さんの話を聞いてみました。「私は大学を出てから8年くらい、日本中ふらふらしていました。最後にいた滋賀県の会社でちょっとした問題が起こり、投げやりな気持ちで電車に乗っているうちに三段壁に着きました。そこで『いのちの電話』が目に入り、そこに電話したら『うちで暮らしてみて、この先どうするか考えてみようか』と言われました。もしいのちの電話がなかったら、飛び降りていたか、警察のお世話になっていたと思います」

藤本さんは、信じていた人にだまされて財産も家もすべて失い、いのちを絶つために何度も三段壁を訪れました。「消えてなくなりたいと思ったのが、2014年の暮れのことです。友だちに騙されたり、衝撃的なことがいろいろ重なっていました。荷物も全部持ち出されてしまい、生活のために何も残っていない状況でした。三段壁には、二、三度行きましたが、一度は観光客がいて飛び降りられず、一度はパトカーに遭遇したので、今日はダメだなと思って帰ってきました」 そんな時、ヤクルト販売員から藤藪師を紹介され、イエス・キリストの福音を信じるようになりました。白浜共同体とまちなかキッチンを通して、今では小さなアパートに住めるようになるまでに生活が安定してきました。

藤藪師 「一番保護された人が多かったのは、たしか2012年の5月頃で、1ヶ月で27人保護しました。自殺を考えている人の共通点は、孤独です。自分が原因で孤独になった人もいます。その人が育ってきた環境の中で、愛をたっぷり受けることができなくて、そういう生き方しかできなかったという人もいます。今は、自殺志願者を警察も行政も一緒になって助けようとしていて、私たちはその一時保護の場を担っています。ここで生活をしながら、社会に戻っていけるように自立を助けています」

藤藪師は、いのちの電話以外にも、さまざまな働きをしています。そのうちの一つが白浜教会で行っている学習支援活動「放課後クラブ・コペル君」です。藤藪師は、子どもたちの面倒を見つつ、福音で満たすことが、たましいのための重要な働きであると、いのちの電話の働きを通して気づきました。自分がだれかから愛され、ケアされていることを知るとき、自分の存在に意味と確信が持てるのです。

藤藪師 「今まで関わってきた人の問題を考えてみると、幼少期から中学を卒業するまでの間に問題があった人が多いことがわかります。ですから、根本的な問題解決のためには、子どもの教育がポイントだということに気がつきました。親が変われないとしたら、子どもが変わるチャンスを自分たちが作っていけばいいんだと思いました。私が小学校の時、『あなたは愛されています』という番組がありました。私はその番組が大好きでした。『あなたは愛されています』と言われることが、とにかく心地良かったのです。それは、聖書を通して私たちに語られているメッセージですから、子どもたちに『あなたは愛されている』ということを伝えたいし『神様はあなたを愛している』というメッセージをどの子にも届けたいと思っています」

白浜共同体がいのちを生かすことができる場所となれる唯一の根拠は、イエス・キリストの福音、神様の愛にあります。

藤藪師 「900人ほどの人に関わってきましたが、悩みの中でいのちを絶とうとしている人に伝えたいことは、イエス・キリストにこそ本当のいのちがあるということです」

三段壁は、イエス・キリストだけが存在の理由であり人生の意味だと語っています。

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